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TWGT 12th GAME公式レポート

2024年6月20・21日
裾野カンツリー倶楽部

混戦を制して 竹内美来が初優勝

Text:コヤマカズヒロ Photo:矢田部裕/有原裕晶


 TWGTは、ゴルフだけでなくおおよそ全てのイベントが中止となり、世の中の灯が消えたかのようなコロナ禍の2020年にスタートした。  プロテスト自体も中止となったこの年、全く先行きが見えない時期にあって、プロテストに挑戦する選手たちに試合を経験する場を作りたい、という思いからTWGTは始まっている。これまで過去11回が開催され、その中から決して少なくない選手がプロテストの関門を突破して、JLPGAツアーに挑戦している。  第1回大会の会場でもある裾野カンツリー倶楽部で行われる第12回大会は、TWGTとしては初めて2日間大会で行われることとなった。  2日間となると、スタッフもゴルフ場も負担は決して小さくない。一方、最終プロテストが4日間で行われるように、さらに言えばその先のツアーの世界で活躍するには、1ラウンド18ホールだけでない、安定した実力が求められる。2日間とはいえ、ワンデーでない試合をするのは、TWGTの悲願でもあった。  さらに、7月24日からはプロテストの第1次予選が、まさにこの裾野カンツリー倶楽部で3日間競技で行われる。選手のためにもテスト直前にこの研鑽の場を提供したいというスタッフの想いは強かった。  ところが、第12回大会は2日目に強烈な雨と風のため、無念のサスペンデッド。競技は初日の第1日で成立した。  なんとか2日間やりたいという思いは、運営サイドも選手も同じ。2日目は9ホールだけでもということで、多くの選手が強い雨に苦労しながらプレーしていたものの、グリーンに水が貯まるところが頻発してしまい、競技の継続が困難になってしまった。水はけの良い裾野のグリーンで水が貯まることは年間通してもほとんどないことだという。それだけ雨量が多かったということでもある。  この悪天候では、選手について応援するサポーターたちも大変だったろう。中には三脚を持ちながら、カメラが濡れないように移動し選手を撮影するサポーターもいた。  結果としては、その後に雨と風はさらに強まり、サスペンデッドは止む得ない判断だったと言わざるを得ない。2日間競技を成功させるために準備を続けてきたスタッフたちは断腸の思いだったろう。  過去11回の実績もあり、TWGTは選手たちにも定着している大会だ。今回は88人という過去最高人数の選手が出場している。皆、それぞれにサポーターを確保して、出場権を得ている選手たちだ。  選手たちが自分を支援してくれるサポーターを自ら集めて出場するというTWGTのユニークなシステムもまた定着している。プロスポーツ選手としての価値が高まれば、ファン・サポーターは集まるという、考えてみれば当たり前のこともこのシステムによって可視化され、改めて選手とファンに示されたと言えるだろう。  出場選手の中には、欧州ツアーのQTを突破し、2023年から参戦している識西諭里選手が第3回大会以来、ひさびさに出場。この大会もスウェーデンから戻ってきての参戦という。初日3アンダーで3位タイという成績はまずまず及第点といえそうだ。欧州ツアーを経験し、冗談交じりではあったが「出場選手の中では誰よりもメンタルは強くなったと思う」と話し、その自信をのぞかせていた。  4月のステップ・アップ・ツアー、大王海運レディスで3日間16アンダーという見事なゴルフを見せて優勝した都玲華選手も前回に続いて出場。アマチュアでの優勝は、史上6人目という快挙だった。レギュラーツアーでも明治安田レディスでローアマを獲得、日本女子アマも8位タイと健闘するなど、充実した戦いぶりを見せている。  今大会は、1オーバーで30位タイ。実力から言えば、やや不満が残る成績と言えるだろう。「内容は悪くなかったんですけど、流れがつかめなくて口惜しい」とコメントしていた。  初日はアンダーパーが24人。難コース裾野でも好スコアで回った選手は少なくなかった。実は今回のホールロケーションは、過去に行った大会と同じに設定していた。この4年間で選手たちも成長し、過去大会よりも全体的にレベルが向上していることを示すような結果だった。  そして、12回目の開催にして初めてホールインワンが現れた。4番ホールで達成した金城和歌奈選手だ。第1回からホールインワン賞を協賛されていた村田茶園さんから、ホールインワン賞50万円が送られた。  優勝は初日を5アンダー「67」で回った竹内美来選手。第1回大会でプレーオフの末、2位になって以降、常に優勝候補だった選手で、直近でも2位タイ、3位と安定した成績を上げていた。この4年でぐっと実力を増した感があり、今後も大いに期待できる選手だ。1イーグル、6バーディ、3ボギーというプレーは、多くのサポーターを魅了した。  閉会式ではTWGT和田泰朗代表から、12月20日に開催する第13回大会をラストゲームとし、TWGTの幕を一旦閉じることが発表された。終了するのは残念だが、当初の発足した経緯から考えると、TWGTはその役目を大いに果たしたと言えるだろう。  とはいえ、和田代表は「皆さんの心の中に、このTWGTがどのくらい残ってくれるのか。あのフォーマットが、あの大会が、良い大会だったよねと思ってもらえるのか。それを見てみたい気もする」と語り、ラストゲーム以降の活動についても含みをもたせた。条件やタイミングが合えば、あるいは来年以降になにか新しいことが起きるかもしれない。  初日はもちろん、2日目も荒天にも関わらず決して少なくないサポーターが駆けつけた。サスペンデッドが決まってからも、選手たちは最後までサポーターたちとコミュニケーションを取っていた。試合を完遂出来なかったのは残念だったが、この光景もまたTWGTが開催された確かな証と言えるだろう。

2nd
ビッグドライブが魅力の木村円。2日目の中止を最も残念に思った選手だろう

T3
3位タイとなった安福千乃もまた、TWGTでは安定して上位に付ける選手

T3
4バーディ1ボギーの69と安定したプレーで2日目が期待された熊倉莉子

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3番をイーグルとして69で初日を終えた藤川玲奈。8番のダブルボギーが痛かった

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2打差を追って激しい雨が降る中を、最終組の前でスタートしていった吉田莉生

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欧州ツアーを転戦し、久しぶりのTWGT参戦となった識西諭里も69をマーク

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アウトを3バーディとして、トーナメント初日ををリードしていた鵜飼桃

T3
初日を3バーディノーボギーと安定したプレーで2日目に期待された円角有希

T3
初日を4バーディ1ボギーの69とし、2日目を最終組の3組前でスタートしていった今井鮎美

TWGT史上最大の88名が参加し、初の2日間競技として行われた12th GAMEは、残念ながら降雨中断から競技中止となり、1日競技となってしまった。

最多バーディ賞は6つのバーディを奪った竹内美来。1イーグルというおまけ付き。

短いパー4の3番ホールに設定されたイーグル賞は藤川玲奈、熊倉莉子、竹本梨奈の3選手が獲得

最少ボギー賞はノーボギーで前多愛、鵜飼桃、円角有希の3選手が獲得

一世代前のドライバーを使うなどクラブセッティングもユニークな竹内美来。飛距離も出る魅力的な選手だ

12回目にして初のホールインワン賞は沖縄出身の金城和歌奈が獲得。

選手とサポーターがコミュニケーションを取る時間は2日間とも設定され、初日は企業サポーターブースで選手のサイン会が行われるなど盛り上がりを見せた


TWGT 12th GAME RESULT
ホールバイホールの確認は下記のURLからアクセスしてください
https://x.gd/XWSyE

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